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弁護士の残業代請求コラム

コンビニ店員と残業代請求

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1 はじめに

コンビニ店員は残業代未払が多い職種の一つです。特に、月給で働く正社員のコンビニ店員で、労働時間の長短に関わらず、毎月定額の給与しか支払われない場合には、残業代の未払が生じている可能性が高いといえます。
これまで、当事務所ではコンビニ店員の残業代請求について、多くの事件を解決してきました。
以下では、コンビニ店員の残業代請求の実態について、過去に取り扱ってきた経験も踏まえてご説明します。

2 コンビニ店員に未払残業代が多い事情について

⑴ アルバイトのシフトの穴を埋めるため長時間労働になる

コンビニ店員に未払残業代が多い理由は、人手不足が原因です。ほとんどのコンビニエンスストアは24時間営業を行っており、この24時間営業を維持するために多くの従業員でシフトを組む必要があります。しかし、アルバイト従業員の多くは就労可能な日時が決まっているため思うようにシフトが組めません。そのため、正社員で雇用されている月給制の従業員が必然的に穴埋めで長時間のシフト勤務を行うことになり、その結果、長時間労働となりやすいのです。
2019年2月には、東大阪市のセブンイレブンオーナーが人手不足のため、時短営業を行い、これを受けたセブンイレブン側においても、時短営業を試験的に導入するなど、コンビニ店員の人手不足の現状は話題となっています。

⑵ ワンオペ勤務(一人勤務)が多い

コンビニ営業は深夜の時間帯になると来客が減るため、深夜時間帯は店員1人でシフトをこなす場合が多いです。
この場合、仮に、シフト上は深夜の時間帯に1時間の休憩を取得していることになっていても、実際には店員は1人しかいないことから、休憩することはできません。
このような一人勤務の時間帯は、例え、来客が皆無でほとんどなにもしていなかったとしても、休憩とは認められません。
一人勤務が多くある場合、その分だけ未払賃金が生じている可能性があります。

⑶ 1日2回の勤務がある

正社員で働いているコンビニ店員は、アルバイト従業員の病欠などの理由でシフトに空いた穴を埋めるために、午前中に2時間程度働いて、その後に夕方から8時間働くなど、1日に2回勤務することも珍しくありません。
このような1日2回勤務する場合には、1回目の勤務と2回目の勤務の労働時間を合算して、1日8時間以上の労働時間が発生していないかどうかを確認しなければなりません。
しかし、1日2回勤務時の8時間以上の労働時間の計算を正確に行っている使用者は少なく、適切に残業代が計算されていないケースが多いです。

⑷ 週6日の勤務が多い

コンビニ店員は人手不足から、週6日程度の勤務シフトで働いている場合が多いです。
このような場合、1日の労働時間が8時間だとしても、1週間で48時間の労働をしていることになります。
労働基準法では,1週間の法定の労働時間は40時間までと定められています。そうすると、1日8時間以内の労働であったとしても、1週間で計算した場合に40時間を超える場合には超えた時間分だけ残業をしていると評価されます。
この1週40時間超えの残業時間について、適切に計算し、残業代を支払っている使用者は非常に少ないです。

⑸ まとめ

以上で説明した事情などからコンビニ店員は長時間労働になりがちです。そして、使用者はコンビニ店員の適切な労働時間の計算を行えていないことが多いので、必然的に残業代の未払が生じているといえます。

3 過去の経験した会社側が主張する残業代対策

以下では、当事務所が過去に扱ったコンビニ店員の残業代請求事件で会社側からされた反論を紹介します。

⑴ 過大な休憩時間の主張

深夜や早朝の時間帯などの客の少ない時間帯について、働かずにずっと休憩していたとの主張をされる場合があります。
もっとも、深夜や早朝の時間帯は客が少ないことを考慮して、一人勤務や少ないシフト人数で対応するようにしているため、十分な休憩を取れていたとする使用者側の主張には無理があります。
実際に当事務所で対応したケースでも、このような使用者側の主張は認められませんでした。

⑵ 管理監督者の主張

コンビニ店員で正社員として雇用されている労働者は、店舗の店長などを任されている場合が多く、業務上の必要性からアルバイト従業員の面接やアルバイト従業員の勤務シフトを決めるなどの権原が認められる場合が多いです。
そのため、残業代請求に対し、使用者から管理職なので残業代は発生しないとの反論を受ける場合があります。
ここでいう管理職とは、労働基準法41条2号で規定されている「管理監督者」と呼ばれる特殊な労働者のこといいます。
もっとも、管理監督者に該当する労働者は非常に限定的であり、多くの管理職と呼ばれる方々は管理監督者に該当しません。
コンビニ店員でいうと、1店舗の雇われ店長に過ぎない場合には、広範な裁量が与えられていることはほとんどなく、「管理監督者」とは呼べない場合が多いです。
管理監督者に関する詳しい内容についてはこちらを確認ください。

⑶ 固定残業代の主張

コンビニ店員に限らず、固定残業代の主張は会社からよく主張される典型的な反論です。
固定残業代とは、給与の一部があらかじめ残業代の趣旨で支払われているとの反論です。このような反論が認められた場合、残業代請求が大きく減額されたり、残業代が既に支払い済みと扱われて請求できないこともあります。
基本給以外に役職手当などの手当が支給されている場合には、これが固定残業代と主張される場合があります。
会社側が主張する固定残業代が有効な主張といえるかどうかについては、以下の記事を参考にしてください。

 

4 過去に扱ったコンビニ店員の残業代請求事件

以下では、過去に扱った残業代請求事件についてご紹介します。依頼者はいずれも大手コンビニチェーンのフランチャイズ店で働いていたコンビニ店員です。

事案➀:使用者である会社は大阪府の北摂地域に3店舗の大手フランチャイズのコンビニを展開し、依頼者はその1店舗で店長として勤務していた事案

労働時間:月220時間程度、週6日勤務、1勤務10時間程度
計算した残業代の額:約220万円
獲得した残業代の額:約200万円
解決までに要した期間:2か月
事件の特徴:この事件はタイムカードが一切存在しない事案でした。もっとも、大手フランチャイズのコンビニはフランチャイジーの従業員に対する労働時間管理も行っており、フランチャイジーはフランチャイザーに従業員の毎月の労働時間をまとめたデータを送付しています。そこで、当該事件でも、使用者にフランチャイザー側に送付しているタイムカードの開示を強く求めたところ、開示とともに妥当な金額での和解提案があり、スピード解決に至りました。

事案➁:使用者は大阪市内で複数店舗の大手フランチャイズのコンビニを経営する個人で,依頼者は複数店舗で店長代理などの役職で勤務していた事案

労働時間:月250時間程度、週5日~6日、1勤務7時間~14時間
計算した残業代の額:約400万円
獲得した残業代の額:約300万円
解決までに要した期間:6か月
事件の特徴:この事件では相手方から固定残業代の主張が行われ,当初、相手方からは約200万円の和解を提案されました。依頼者は基本給とは別に調整手当の名目で月に3~8万円で変動する手当を受給しており、相手方は、これが残業代にあたると主張しました。依頼者の方でも、調整手当の一部は残業代との認識はあるとのことでしたので、調整手当の一部が残業代であると認めたうえで、交渉し、最終的に約300万円で和解することに成功しました。

5 最後に

過去に扱ったコンビニ店員の残業代請求事件では、200万円から300万円程度の残業代を回収するケースが多かったです。
また、いずれのケースも、アルバイト従業員とのシフト調整のために、長時間労働を余儀なくされているといった事情がありました。
コンビニ店員の場合、手元にシフト表やタイムカードなどの労働時間の証拠資料がなくても、フランチャイザーを通じて取得できる可能性がありますし、フランチャイザーに問題が発覚することをおそれたフランチャイジーである使用者から任意の開示を受けることができる可能性もあります。
大阪バディ法律事務所では、コンビニ店員の残業代請求についても豊富な実績があります。過去、または現在、コンビニ店員をされていて、残業代請求をお考えの方は、お気軽に当事務所の弁護士までご相談(無料)下さい。

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