警備員の方は、拘束時間の長い方が多いです。
特に、24時間拘束で丸1日働いた後に、丸1日休み、また丸1日働くという1勤1休制で就労されている方も数多くいます。
警備員方の労働時間の立証は、タイムカードの他に、シフト制が敷かれているためシフト表から推認可能であったり,警備記録に時間が残されていたりするなど、容易に立証できるケースが多いです。
また、拘束時間が非常に長いので、適切に残業代を算定した場合、500万円を超えるケースが数多くあります。
仮眠時間を労働時間として残業代を請求
- 事案内容
- 依頼者の業務は、24時間拘束の1勤1休制で、1名で複数エリアを担当し、出動要請があった場合にすぐに対応しなければならない業務内容であったため、その拘束時間全てが労働時間であるとの前提で残業代を算定し、600万円を会社に請求したケース。
- 争点と内容
- 会社は、24時間の拘束時間のうち、合間に休憩時間が4時間、仮眠時間が8時間あるので、一日の労働時間は12時間であると主張してきたので、会社が主張する休憩時間及び仮眠時間が労働時間にあたるのかが争点となりました。
こちらは、最高裁判所の判例に即して、休憩時間も仮眠時間もすべて労働時間にあたることを丁寧に反論し、すぐに支払いを行わない場合には訴訟を提起する旨を伝えました。 - 解決結果
- 会社側が約550万の和解を提案してきたので、依頼者に確認し、依頼者としても満足できる金額であったため和解することになりました。
会社側に請求書を送付してから僅か1カ月のスピード解決で、依頼者も大変満足しておりました。
休憩時間も労働時間とし、700万円の未払い残業代を獲得!
- 事案内容
- 依頼者は大手警備会社の警備員で、警備業務と管制業務を行っておりました。特に、管制業務は過酷で、1勤務14時間以上の長時間労働を週5日もしくは週6日行っていましたが、残業代は一切支払われておりませんでした。仕事が過酷なため、依頼者は退職を決意し、同時に残業代請求を依頼されました。
- 争点と内容
- 回答期限を設けて弁護士から会社宛てに残業代を請求したところ、会社の代理人弁護士から請求額の約8割程度での和解提案と未払残業代に関する計算書が開示されました。
そこで、こちらも計算書を作成のうえ、和解の解決金の増額交渉を行いました。、
その際、管制業務が一人勤務であったことなどから、相手方代理人が休憩として計算していた時間などについても全て労働時間として扱うように交渉しました。 - 解決結果
- 最終的に、こちらの請求額の9割程にあたる約700万円の金額で和解することができました。十分な金額を獲得出来たことと、約1ヶ月半のスピード解決ができたことで、依頼者もとても喜ばれていました。
訴訟により350万円の未払残業代を回収した事案!
- 事案内容
- 依頼者は、機械警備業の警備員として勤務していました。会社では、担当エリアが決められていました。警備員は、各エリアごとに指定された待機場所で待機し、発報対応の連絡があれば、現場に急行するということを主な業務として行っていました。
- 争点と内容
- 勤務時間は、シフトで定められており、シフト上、拘束時間の中で1日数時間の休憩時間が設けられていました。もっとも、この会社では、各エリアに一人ずつしか配置されておらず、出勤から退勤までの時間中、発報対応の指示があれば、いつでも現場に急行することが求められていました。
そのため、シフト上で休憩時間とされている時間帯が、法的に「休憩時間」と評価できるか否かが主要な争点となりました。 - 解決結果
- 交渉段階では、会社が未払残業代を否定したことから、直ちに訴訟を提起しました。
訴訟では、シフトにおける拘束時間を前提に、休憩時間の有無が争点となりました。休憩時間に関し、警備員の仮眠時間・休憩時間等のいわゆる不就労時間に関する従前の裁判例を引用し、本件ではエリア毎に一人しか配置されておらず、そのような状況下で不規則に発報対応が生じていた実態を指摘し、全時間帯を通じて労働から解放されていないと主張しました。
その結果、訴訟において、シフトどおりの休憩時間が取れていなかったことを踏まえ、350万円の解決金の支払を受ける内容で和解することができました。
訴訟により915万円の未払残業代を回収した事案!
- 事案内容
- 依頼者(40代・男性)は、機械警備の警備員として勤務していました。
警備エリアが複数に分けられており、担当エリアが決められていました。警備員は、各エリアに指定された待機所で待機し、発報対応の連絡があれば、現場に急行するということを主な業務として行っていました。その他、巡回業務も行っていました。 - 争点と内容
- 勤務時間は、シフトで定められており、シフト上では、勤務時間の中で1日数時間の休憩時間や仮眠時間が設けられていました。
ところが、各エリアには一人ずつしか警備員が配置されておらず、出勤から退勤までの勤務時間を通じて、発報対応の指示があれば、たとえ仮眠時間中であってもすぐに現場に駆け付け、対応することが求められていました。
このような実態から、休憩時間や仮眠時間もすべて労働時間と言うべきで、給料(残業代)の対象になるのではないかが主な争点となりました。 - 解決結果
- 交渉段階では、会社側は、休憩時間や仮眠時間は労働時間ではないとの理由で、残業代の支払義務を否定しました。そのため、交渉では解決ができないと判断し、直ちに訴訟を提起しました。
訴訟でも、シフトで休憩時間・仮眠時間とされている時間帯についても労働時間と評価すべきであると主張し、この点が審理の中心になりました。そこで、警備員の仮眠時間・休憩時間の労働時間制が争点になった同種の裁判例を引用し、人員配置の状況や勤務時間全体を通じての作業内容など、今回の件での具体的な事情を様々指摘し、警備員の仮眠時間・休憩時間とされている時間帯においても常に対応が義務付けられていたことを強調し、これらの時間帯を含めてすべて会社の指揮命令化にあったという主張を展開しました。
訴訟では、このような主張を踏まえて、仮眠時間・休憩時間も労働時間として残業時間を計算し、これを前提に900万円以上の支払を受ける内容で和解が成立しました。