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警備員の残業代請求 ~「仮眠時間」は「労働時間」といえるのか~

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1.警備員は残業代請求が多い職業

警備員は残業代請求が特に多い職業の一つです。
その理由は、警備員は24時間勤務による交代制で仕事を行う場合が多く、1勤務の拘束時間が長く、その結果として労働時間が長時間となるためです。
また、拘束時間が多い過酷な仕事であるため、人手不足になりやすく、24時間勤務のシフトを週に何度も行うことを求められることもその理由の一つです。

2.会社からのよくある反論

警備員の残業代請求の場合に、相手方の会社からよく主張される反論は24時間シフトのうち数時間は「仮眠時間」なので「労働時間」には該当しないという反論です。
この「仮眠時間」は「労働時間」にあたらないという反論は20年以上前からずっと議論されているオーソドックスな反論です。
警備員の場合、24時間勤務中の深夜の時間帯は、呼び出しがあればすぐに出動するが、呼び出しがない限りは事務所内で待機し、その間に睡眠をとることも許されている場合が多いです。
そのような時間は、何か現実に作業をしているわけではありません。
そのため、そのような仮眠時間については賃金を支払う必要がないと会社側は主張するのです。

3.どのような場合に労働時間といえるのか

「労働時間」とは使用者に指揮命令されている時間を指します。
そして、業務による拘束時間中に、労働時間ではない時間があるとしたら、その時間は「休憩時間」です。
「休憩時間」は労働から完全に開放されている時間をいいます。そのため、現実に作業に従事していなくても、すぐに作業に戻ることを想定しながら待機するような場合には「休憩時間」とはいえず,「労働時間」となります。
例えば,昼休み中に昼食をとりながら電話当番を行うような場合には,電話が鳴ればすぐに業務として電話対応をしなければなりませんので労働から完全に開放されている時間といえず,労働時間に該当します。
「仮眠時間」についても同様の議論があてはまるといえ、「仮眠時間」が労働から完全に開放されているどうかにより結論がかわります。

4.「仮眠時間」が「労働時間」といえる場合の判断基準

そして、「仮眠時間」が「労働時間」といえるかについては、警備員の残業代に関する最高裁判例において、仮眠時間中に呼び出しなどを受けて実作業へ従事する可能性が「皆無に等しい」といえるような場合には労働時間にあたらないとの判断基準が示されています。
この皆無に等しいといえるかの判断基準は明確ではありませんが、過去の勤務実態から、仮眠時間中に何回程度呼び出しを受け、実際に何回作業を行ったのかの頻度により判断されます。
例えば、仮眠時間中に週に1,2回の呼び出しを受けて作業に従事することが常態化しているような場合にはもはや仮眠時間中に作業時に従事することが皆無に等しいとはいえませんので明らかに労働時間といえます。
一方で、仮眠時間中に呼び出しを受け、実際に作業に従事することが年に1回程度でしたら、その頻度は皆無に等しいといえ、労働時間ではないでしょう。
また、警備員が何名体制であったか、しっかりとした仮眠室が完備されていたかなども重要な判断要素になります。

5.過去に扱ったケース

当事務所の弁護士が過去に扱った警備員の残業代請求のケースでも、会社は「仮眠時間」は「労働時間」ではないと主張してきました。
しかし、その会社では「仮眠時間」の運用が確立していなかったため、午後10時から翌午前10時までの12時間のうち8時間が仮眠時間であるとの抽象的な主張しかできず,具体的に何時から何時が仮眠時間であるかの特定ができませんでした。
このような具体性を欠く仮眠時間の主張は、そもそも労働からの解放が約束されているとはいえないため、裁判ではこちらの主張が全面的に認められることになりました。
このように仮眠時間に関する会社側の主張は、裁判上は通らないことが多いです。

6.最後に

当事務所では、警備員の残業代請求について多くの実績がありますので、もし残業代請求をご検討されている場合には、お気軽にご相談ください。
「どの程度請求できるのか知りたい」という計算のみのご相談も承っております。

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