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弁護士の残業代請求コラム

残業代の計算方法② ~残業時間の種類~

投稿日:2018年5月29日 更新日:

残業代請求を会社側にするには、まずあなたの未払い残業代がいくらなのかを計算する必要があります。

ここでは、その計算方法について説明していきます。

残業時間の種類

残業時間には、以下で示すように、数種類あり、これらはそれぞれの割増率が異なるため、別々に算定しなければなりません。

  1. 法定時間外労働
  2. 法定時間内残業
  3. 深夜労働
  4. 法定休日労働

1.法定時間外労働の残業代の計算

法定時間外労働とは、1日8時間、1週間40時間を超える労働時間のことをいいます。
例えば、所定始業時刻が9時で、所定終業時刻が18時、昼休憩が12時~13時の労働条件のもとで、18時30分まで働いたとします。
この場合の労働時間は8時間30分で、8時間を超える労働時間数は30分なので法定時間外労働は30分となります。
そして、この法定時間外労働に対して、使用者は、1時間当たりの所定賃金(時間給)の125%以上の割増賃金を支払う義務があります。

2.法定時間内労働の残業代の計算

法定時間内残業とは、所定労働時間を超え、8時間以内の残業時間のことをいいます。
所定労働時間が8時間よりも短い会社にしか生じない残業時間といえます。
例えば、所定始業時刻が9時で、所定終業時刻が17時、昼休憩が12時~13時の労働条件のもとで、18時30分まで働いたとします。
全体の労働時間は8時間30分で、このうち法定時間外労働が30分です。上記①と異なるのは、所定終業時刻は17時ですので、所定時間外の労働として法定時間内残業が生じている点です。
この場合、所定終業時刻の17時から18時までの1時間が法定時間内残業となり、18時以降の1日8時間を超える30分間については法定時間外労働となります。
そして、この法定時間内残業については、雇用契約に基づき当然に発生する賃金として、使用者は、1時間当たりの所定賃金(時間給)を支払う義務があります。

3.深夜労働の残業代の計算

深夜労働とは、22時~翌5時までの労働時間のことをいいます。
例えば、所定始業時刻が9時で、所定終業時刻が18時、昼休憩が12時~13時の労働条件のもとで、23時まで働いたとします。
この場合の全体の労働時間は13時間ですが、このうち22時から23時までの1時間が深夜労働となります。また、深夜労働は法定時間外労働と両立するので,18時から23時までの5時間は法定時間外労働であり、かつ、このうち22時から23時までの1時間は深夜労働にもなります。
そして、深夜労働について、使用者は、1時間当たりの所定賃金の25%以上の割増賃金を支払う義務があります。
また、法定時間外労働、かつ、深夜労働となる場合には、合わせて1時間当たりの所定賃金の150%以上の割増賃金を支払う義務が生じます。

4.法定休日労働の残業代の計算

法定休日労働とは、1週間のうち1日も休日がない週の休日労働時間をいいます。労基法では1週間のうち1日の休日の確保が義務付けられているため、1週間のうち1日も休日が確保されなかった場合には1週間の最後の日の労働が法定休日労働となります。

なお、どの曜日を1週間の起算日とするかについての労基法上の規定はなく、会社においても特に定めがない場合には、日曜日を1週間の起算日と考えます。

例えば、1週間の起算日について特に定めがない会社で、日曜日から土曜日まで毎日9時から18時(休憩1時間)まで働いたとします。
この場合、土曜日の勤務を行った時点で1週間のうち1日も休みが付与されていないことになりますので、土曜日の労働は全て法定休日労働となります。
そして、法定休日労働について、使用者は、1時間当たりの所定賃金の135%以上の割増賃金を支払う義務があります。

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